今回は、能力開発基本調査から社員の自己啓発等能力開発の取組みについて検証していきたいと思います。
2009年度に正社員がOFF-JTを受講した割合は、2007年度の54.2%から2009年度の41.5%へと大幅に低下しました。低下傾向であることは、企業調査結果と一致しているところです。受講したOFF-JTの内容(複数回答)では、「マネジメント」が34.7%と最も多く、「品質・安全」、「ビジネスマナー等のビジネスの基礎知識」、「人事労務」、「技術・技能」が下図のとおり20%代で続いております。
OFF-JTを受講した社員の延べ受講時間は34.6時間から41.9時間に上昇しました。経営環境の悪化にもかかわらず、受講している社員は正規・非正規を問わず時間数を増加させています。受講に、より積極的になっていることがわかります。
OFF-JTの実施主体は、「自社」が57.4%と最も多いが、2007年度は62.6%なので5%ほど低下しています。次に「民間教育訓練機関」が、28.4%(2007年度)から33.3%に上昇しました。
受講したOFF-JTの内容が役に立ったと回答した割合は、当該3年間で45から50%にあいだで安定しています。どちらかというと役に立ったと回答した割合を加えるといずれの年度においても85%を超えます。
自己啓発を行った正社員の割合は、2007年度の58.1%から41.7%に大幅に低下しました。これは、OFF-JTと全く同じです。自己啓発を行った正社員1人あたりの平均延べ受講時間は2007年度の70.3時間から83.1時間に増加しました。自己啓発に取り組む社員は減ったものの、取り組んだ社員の時間数が増加しており、2極化の始まりの予感がします。ただし、最も多かった時間帯は2007,2008年度で10時間以上30時間未満であり、時間的には物足りない気がします。
自己啓発の実施方法は、「自学、自習」が49.1%と最も多く上昇傾向にあります。「社内の自主的な勉強会、研修会への参加」が25.5%で続いております。あまりお金をかけられない状況でしょう。しかし、やり方自体では効果があります。
自己啓発を行った理由は、「現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため」が85.1%と圧倒的に多く、「将来の仕事やキャリアアップに備えて」も57.4%と高い水準です。リーマンショック前より比率が高まっており、危機意識が高く持った社員が増加したと考えられます。
自己啓発について何らかの問題があると回答した正社員の割合は各年度とも80%前後あります。その問題の内容としては、「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」が56.1%と最も多く、「費用がかかりすぎる」が36.5%で続いております。また、非正社員では、「家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない」が30.7%と高いのが特徴です。
「自分で職業生活設計を考えていきたい」と回答した割合は、33.1%から29.3%に緩やかに低下しました。「どちらかと言えば自分で職業生活設計を考えていきたい」が緩やかに上昇しました。やや自信を失い支援を求めているかもしれません。
希望している職業人生の実現に向けた職業能力開発の方法としては、「自発的な能力向上のための取組みを行うことが必要」が46.0%で最も多く、前年度よりやや低下したものの高い水準です。
(2011.12)